東京・奥多摩の、太古から神を祀ってきた霊山・御嶽山。そこにある神官屋敷は浅田氏の実家である。少年だったころ、美しい伯母から聞かされた怪談めいた夜語り。それは怖いけれど、美しくも哀しく、どれも惹き込まれるものばかりだった。神官の家に代々伝わる話を元に書かれた短編を編み直し、書き下ろし短編「山揺らぐ」と単行本未収録作品「長いあとがき あるいは神上りましし諸人の話」を加え、完本とした極上の短編集。