「女が書いたものなんざ」――日本近代文学の黎明期、まだ女性の書き手がほとんどいなかった明治時代。小説家になることを夢見る十七歳の宮島冬子は、当代一の文学者・尾形柳後雄のもとで女中をしながら執筆に励んでいた。同じ志を持つ男弟子たちが次々と引き立てられていく一方、冬子は毎日の家仕事に追われてなかなか筆が進まない。焦りを感じる冬子はある日、師の尾形からおぞましい誘いを受けて……。女性の直面する社会的な困難を克明に描き、最後まで己の道を諦めない強さと、最愛の伴侶との絆に胸を打たれる。現代を生きる私たちに寄り添う、勇気と希望の湧き立つ傑作長編。
共謀小説家
定価:858円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52747-6
発売日:2024年4月10日
不遇の時代に自分の道を切り拓いた女性。
今を生きる私達を奮い立たせる傑作小説
「女であるがゆえに遠回りせざるを得なかった宮島冬子の屈折は、今でもけっして他人事ではありません。」斎藤美奈子(解説より)
日本に近代文学が開花した頃、男たちの世界だった文壇。小説家を志す十七歳の冬子は敬愛する文学者の家で働くが…
“あなたとおれで共謀しないか”
窮地に立つ冬子に差し伸べられた男の手には、ある条件が隠されていた。手を取り互いに利用しあって生きたその男の招待は、心優しき理解者か、小説にとりつかれた鬼か。追いかけた夢の果てに、冬子が選んだ道とは――
踏みにじられ、変わりゆく時代に翻弄されながらも、自分を夢を手放さなかった一人の女性の物語
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