認知症を患う父が失踪した──。父の浮気が原因でバラバラになった家族は、当人の失踪により再びひとつ部屋の下に集う。「愛人のところに自分の意志で行った」と主張し行動を起こさない兄。「私が目を離したせいだ」と自分を責める姉。まるで他人事の僕。どこにでもいる「仲の良くない普通の家族」は父の失踪を機に家族のカタチを見つめ直す。NETFLIXオリジナルドラマ『全裸監督』の脚本を務めるなど注目の新進クリエイターが「家族とは!?」に“巨石”を投じた小説デビュー作、待望の文庫化。
だから家族は、
定価:792円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52707-0
発売日:2023年11月15日
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大注目作家による傑作家族小説
「幼い頃に父を亡くし、兄弟もいなく、ほとんど祖母に育てられた僕は家族というものに憧れた。
だから僕が作る曲は、裏テーマが「家族」の歌が多い。
僕の歌声や見た目は、過去に生きた沢山の家族が作ってくれた」
THE YELLOW MONKEY 吉井和哉
「ここには不在や沈黙、行き止まり、隠したかった本音、まさに「悪霊とも言える令和の閉塞」がぎっしり
と詰まっていて、脳の「休眠していた感覚神経」みたいな部位がぐいぐいと揺らされる。見事だ。「変なスイッチ」
が入り、夜の街を彷徨いてしまった。オヤジ殺しだ、山田佳奈!」
映画監督 堤幸彦
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『全裸監督』脚本家による“家族になれない家族”の物語
〈主な登場人物〉
僕……父の失踪を機に会社をやめて実家に帰ってきた。ソリがあわない兄と姉、そして長年つき合う彼女との関係に倦んでいる
姉……両親が離婚して以降、家族の問題を抱え込んでしまうようになる。兄を軽蔑し、夫に当たるなどストレスを抱えている
兄……何をやるにも長続きせず、悪友の禄郎とつるんで遊び惚けることで現実逃避の日々を過ごしている。
父……不倫が発覚したことで離婚して以来、自分の殻に閉じこもっていた。認知症を患い、突如、失踪してしまう
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