四国の片田舎で、青春パンクを聴く友人を蔑みつつ、クラスメイトから舐められていた内気な少年が、ノルマを払わずに東京のライブハウスに出られるようになるまで。錯綜する自惚れと卑屈、飛び交う値踏みされる目線とする目線。物語になり切れない物語……。今の時代において「売れる」とは何か、「才能」とは何かを、結果として問うことになる、等身大より少し低めな自伝的小説。