わたしは思いもよらない再会に驚いて、その子の後頭部から目が離せなかった。わたしの目はなんで小さいユジンみたいに大きくないのかと、お母さんに訊いたことまで最近の出来事みたいにはっきり思い出した。
「姓まで一緒ね。どうやって区別しようかな。イ・ユジンA、Bにする? それとも番号にする?」
先生が言うと、みんなクスクス笑った。わたしは一瞬で思い出したのに、小さいユジンはわたしのことに気付かないようだ。そりゃ、わからないはずだわ。わたし、かなり可愛くなってるし。最近、一番よく言われる言葉が「可愛くなった」じゃない。わたしはそう考えることにして、ちょっと傷付きそうだったプライドを守った。
「小さいユジンと大きいユジンでどうですか?」
わたしが言った。これでも思い出せない? という抗議のつもりだった。小さいユジンが、またこちらを振り返った。わたしはにっこり笑ったのに、小さいユジンは無表情で向き直ってしまった。
「そうね、それがいいわ。小さいユジンで、あなたも大丈夫ね?」
先生が小さいユジンに訊いた。あの子が目で同意したのか、二人のユジンを区別する方法はそれで決まった。
「ユンソル、小さいユジンさあ、わたしと同じ幼稚園に通ってた子だよ」
わたしはソラに急いで話した。これくらいなら、二人の間ではけっこうな話のネタだ。
「マジ? 間に七人入ったら、世界中知り合いだっていうけど、本当だね。引っ越してきたのに、幼稚園の同級生と会うなんて、すごくない?」
「でしょ? 幼稚園の時も、わたしは大きいユジン、あの子は小さいユジンだったんだ」
「仲良かったの?」
ソラの目に警戒の色が浮かんだ。友情を守りたい意思のこもった光だ。わたしにとっては、友情をあらためて確認した瞬間だった。
「別に。お姫様系だったから。パールが付いてるワンピースに、フリフリの靴下履いてる感じの子いるじゃない? あの子、そういう子だったんだよね」
でも当時のみどり組の男の子たちは、みんな小さいユジンと結婚したがった。わたしの好きだったサンミンが遠足の時、小さいユジンと手をつなぎたいと言って泣いて大騒ぎしたことを思い出した。幼い頃のことなのに、生傷に塩をすり込んだみたいにしみて痛かった。あれが、わたしの片思いマーチの始まりだったからだ。
「はっきり言って、ウザいね。小学校は一緒じゃなかったの?」
ソラが訊いた。
「小さいユジンは、あの事があってから……」
事じゃなくて事件と言わなくちゃいけないのかもしれない。新聞にもニュースにも出たし、わたしたちは警察署にも行ったから。わたしは口をつぐんだ。
「あの事? それ、なんのこと?」
ソラの目がスティックライトみたいに光っている。ソラとの間に秘密はない。わたしたちはお互いについてどれだけ知っているかが、友情の濃密さに比例すると信じている。だけど、たとえ友情という名のもとでも、あの事をあえて記憶の中から引っ張り出したいとは思わなかった。わたしにとってあの事は、膝に残った傷痕みたいなものだ。たしかに怪我はしたけど、いつどんなふうに怪我をしたかは忘れてしまった……。
「たいしたことじゃないよ。とにかく、小さいユジンが幼稚園の時に引っ越していってから、今初めて会ったってこと」
事件の渦から最初に抜けていった子が、小さいユジンだった。そんな子が、一目見てわかるほど幼稚園の頃とほとんど変わらない姿で同じ教室にいることが、あまりにも不思議だった。
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