2022年に刊行された寺地はるなさんの『川のほとりに立つ者は』が文庫化されました。

 

 舞台はコロナ禍の広がった2020年。カフェで働く29才の店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受けます。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることになり──。

 

 もし大切な人に自分の知らない一面があったら、あなたは受け入れますか? 「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語です。

 

 一筋縄ではいかない問題に真摯に向き合い、一筋の希望を見つけていく本作に、書店員さんや読者の方達からたくさんのメッセージが届きました。その一部をご紹介します。

 

 

川のほとりに立てたなら、ほのかに放たれる声に気づくだろうか。詩的な文章が美しく、社会派でもあり、せつなさと優しさが心に流れる物語。
(うさぎや矢坂店・山田恵理子さん)

 

この物語の中にある優しさは、ずっと欲しいと思っていた優しさでした。本を見終えたあとになって、ずっと泣いてしまいそうな気持ちでいます。仕事中、思い出して泣きそうなくらい、優しさの余韻がすごい物語です。
(KaBoSイオンモール新小松店 中西若葉さん)

 

「寄り添う」「共に生きる」なにより、「向き合う」「知る」ことが「救い」になる。 この問題に悩んでいる人や家族だけじゃなく、会社経営者や、人の上に立つ人、学校の先生は読むべき作品。寺地さんの作品は 読了後に心の中に灯りがともる。どの作品も好きだけれど これはまた別格だったなと思う。
(出版事業関係者 net galleyより)

 

最後のページに記された文章を心に刻みつけて生きてゆきたい。そう思える作品でした。すばらしい作品です。寺地はるなさんの代表作になるでしょう。
(教育関係者 net galleyより)

 

恋愛ものであり、障碍についての話であり、同時にある種のミステリーでもあり、さらに努力とか人間関係とか不寛容さとか、いろんなことについて考えさせられる内容で、面白いだけでなく、すごく深い内容だと感じました。万人にお薦めの一冊だと思います!
(レビュアー net galleyより)

 

 秋の読書に是非、『川のほとりに立つ者は』をお手にとってみて下さい。きっとあなたにとって、宝物のひとつとなる一冊です。