『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』『代替伴侶』と、架空設定の日本を舞台に人生の選択を描く作品を立て続けに発表し、話題となった白石一文さん。このたび、足かけ13年にもわたる「小説推理」誌連載の『つくみの記憶』を上梓されました。長期連載ならではの登場人物の比重の変化や、社会の移り変わりに伴う物語世界の変化、そして「ずっと書きたかった」という生き物全体と人間の関わり──白石さんが常に追求するテーマに対する語りは、聞くとなるほど納得、興味深い話が双葉社文芸総合サイト「カラフル」Podcastにてポンポンと飛び出します。

 

◆「話題本の著者に聞く」はこちらから

https://colorful.futabanet.jp/articles/-/4831

 

◆概要
【作品名】『つくみの記憶』
【著者】白石一文

 

【あらすじ】
誰もがみな、この世界を足掻くようにして生きている。美しくなくてもいい。常に正しくいなくてもかまわない。そんな赦しが内在する本書は、しっとりとした猫の毛並みのように、読み手の心にしなやかに吸い付くだろう。──碧月はる↓(「ダ・ヴィンチWeb」) 白石文学の新たなる地平がここに!! 31歳の松谷遼平は会社の懇親会で8歳下のアルバイト・隠善つくみと初めてまともに話すと、奇妙な感覚に襲われる。……この人は俺に会いに来たんじゃないか? 遼平は幼少期、生死の境を彷徨ったことがある。その記憶とつくみとが不思議と繫がってくる。遼平がつくみと結婚すると、別れた恋人の友莉が失踪してしまう。その捜索によって知った関係者の出自や記憶が大分のある地域に奇妙に収斂し、人間関係が因縁めいた連環の形となっていく。やるせなさ、ずるさ、だらしなさが随所に描かれながら、どこまでも澄んだ読み心地がする物語。