依頼人から託された遺品の配送を専門とする一風変わった宅配業者「天国宅配便」シリーズの第2弾がついに文庫化されました。
ひょんなことから遺品のカメラが届けられた転売屋、謎の文字で書かれた手紙を受け取った余命わずかな曾祖母、会いたくない相手からの遺品をもらった女性……。送り主はなぜ、生きているうちに彼らに「思い」を伝えられなかったのか? 配達人は、贈り物を通じていくつもの人生に出会っていく。
遺品専門の宅配業者が届ける4つの物語が収録された『天国からの宅配便 あの人からの贈り物』の読みどころを、「NetGalley(ネットギャリー)※」に寄せられた読者レビューの一部からご紹介します。
※読書好きや書店関係者など、「本の目利き」が発売前の書籍のゲラを読んで感想を投稿できるサイト。
依頼人が死んだ後に遺品を届ける「天国宅配便」。終始あたたかい雰囲気なのですが、とにかく、この話しは「オチ」がいいです。まるでミステリーを読む感覚で、物語に乗っかってみてください。意外なオチに驚いたり、優しさ溢れるオチに読み手の心まであたたかくなります。 (レビュアー/NetGalleyより)
やられた、と思った。題名からやわらかいファンタジーを想像していたが、まったく違った。迷い悩んでもがいている人達の生きざまが、宅配荷物にまつわって解き明かされていく。造園師の苦しさに胸を撃たれ、7人のおばあちゃんの想いに泣いた。心にしみこむ一冊だった。 (教育関係者/NetGallyより)
遺品と共に届けられる、依頼人の「思い」。届けられる人にとっては思い出したくもない、目を背けたくなるような事情があったりするのだが、依頼人を知る人を辿りながら、依頼人の思いに気づき、一歩前へと踏み出す物語に感動した。 (レビュアー/NetGalleyより)
大切だからこそ伝えられなかった想いを、これ以上ないタイミングで刻む、優しさエッセンス満載の物語。下手な魔法よりも奇跡に思える人との繋がりや、誠実な配達員の熱意が、見えないものを可視化していく感覚に「これを求めていた」と胸が震えた。LGBTQ、戦争、階級社会、ネグレクトなど現代の問題をさりげなく組み込んでいる所が、ぬくぬく一辺倒じゃなくてとても良かった。 (書店関係者/NetGalleyより)
大切な人との時間をより大切にしたくなる作品。特に、小学5年生の女の子が曾祖母に届いた謎めいた手紙のために奔走する「七十八年目の手紙」は、様々な国の人を巻き込んで優しさの輪が広がっていく展開に胸が熱くなり、歴史の暗部に触れるくだりには、新鮮な驚きがあった。 (レビュアー/NetGalleyより)
本当にこんな素敵なことがあったら…そう思いながら読みました。伝えたかった「ありがとう」や「ごめんね」。受け取った人にだけわかる亡くなった方からのメッセージや想いが、この先ずっと心の中で残って、時には支えになりお守りになってくれるような、そんな気がしました。 (レビュアー/NetGalleyより)
前作を拝読してないが、とても楽しめた。一方的に送りつけられる宅配便。故人の自己満足の様にも見える。けれども、遺されたものが先に進むために必要な贈り物だったと思う。誰かを想うことの大切さに気づかせてくれる、この上なく優しい物語に癒された。 (書店関係者/NetGalleyより)
古い友人との「約束」、秘めていた淡く切ない「恋」、二度と会いたくないと思っていた人への「誤解」——。もう今はいないあの人から届いた贈り物をきっかけに、受け取った人や、その周りの人たちの人生が少しずつ動き出す。
遺品と共に届けられた依頼人の「思い」を背負い、一歩前へと踏み出す人々を描いた再生の物語をぜひ一度お手に取ってみてください。