「知らなかった。結婚後に、こんなに激しい孤独や、虚しさを抱えることになるなんて──」
デビュー作『デフ・ヴォイス』が2023年に草なぎ剛さん主演でドラマ化され話題となった丸山正樹氏の『夫よ、死んでくれないか』が、このたびついに文庫化された。本作は、結婚前には誰も教えてくれなかった、結婚の本質と危うさに迫る衝撃のミステリーだ。
2025年4月には、安達祐実さん×相武紗季さん×磯山さやかさんのトリプル主演で連続ドラマ化が決定! 現在撮影真っ最中のお三方からのホットなコメントとともに、原作小説の読みどころや読者からの反響をお届けする。
物語では、夫への不満を抱える女性たちの前に次々と事件が起こる。結婚5年目にして夫婦関係が冷えきってしまった麻矢、離婚経験者の璃子、夫のモラハラに悩む友里香。30代半ばになった大学の同級生3人組は、立場は違えど、夫との関係に悩み、時に「元気なまま死んでくれないかしら」と愚痴を言い合っていた。
そんなある日、麻矢の夫が何の前触れもなく失踪、友人の友里香も、モラハラ夫との間に大きなトラブルを抱えることになる。固い絆で結ばれたはずの3人組の仲にも亀裂が入り始め、麻矢の人生は思わぬ方向へと押し流されていく──。
安達祐実さん×相武紗季さん×磯山さやかさんからのコメントが到着!
2025年4月7日(月)からの連続ドラマ放送スタートを前に、主演の安達祐実さん、相武紗季さん、磯山さやかさんを直撃! 初めてタイトルを聞いた時の印象や、物語に込められた想い、登場人物に共感する部分はあるか、など率直なお話を伺った。
安達祐実さん (麻矢役)
タイトルを聞いて、面白くないわけがない、演じ甲斐がありそうだと思いました。私が演じる麻矢は、結婚はしているけれど、出産よりもキャリアを優先した役どころ。夫との行き違いが生じてそれが尾を引いている。それに対して夫は、浮草みたいな掴みどころのない雰囲気。内面に葛藤を抱えている麻矢が、いつ爆発するかが見所です。
また、家族のような親しい仲でも、絶対に口走ってはいけないことがあると思うんですが、それを口走ってしまう人間の愚かさみたいなところも描かれていると思います。思わず感情的になって言ってしまうけど、後に残るのは「寂しい」という感情であったり、表に出ている態度と心の中で思っていることには、ずれや温度差がある。この物語には、夫に対するイライラなども描かれていますが、ドラマの中で麻矢の感情が爆発されることで、観ている方の抑圧したものが吐き出されてスッキリするところもあると思います。共感あり、爽快感あり、そして「慰め」もある作品になっているはずです!
相武紗季さん (璃子役)
タイトルに一瞬ひるみました。実際に家で本を開いていたら、夫に「次に出るドラマって結構シリアスな作品なの……?」と恐る恐る聞かれたくらい(笑)。でも原作や台本を読んで、これは本当に面白いと思いました。男の人は耳が痛いところもあるかもしれませんが、妻側、夫側、どちらも楽しめる内容です。女子3人で集まって夫の愚痴を言い合うシーンは、様々な「男性あるある」「夫あるある」が飛び交って、女性全員が盛り上がる部分ではないかと思います。そして、この作品を観終わった後に、是非ご自身の周りの方々とこの夫婦たちのことを話してみてほしいです。自分に置き換えてこの物語を観たり読んだりしてもらうことで、自分自身の問題を「消化」できるところがあるのではないかと思います。
磯山さやかさん (友里香役)
私が演じるのは、結婚を機に仕事を辞めた専業主婦の役どころなのですが、うちの夫(友里香の夫)はほんと嫌な奴です(笑)。なので、ふつふつと自然に怒りが湧いてきます。私も強く言われると何も言えなくなる、その場を丸く収めようとしてしまうところがあるので、「ダメ夫」や「ダメ男」をうみだしてしまう女性に注意喚起できる役どころだと思っています! それに、日常生活で人に「死ねっ!」っていうことってあまりないですよね(笑)? 人生でケンカしたことがないくらいビビりなので、本読みの時はひるみました。でもきっと、旦那さんやパートナーに対し、「死んでほしい」とまで思わなくても、「ちょっとお腹壊せばいいのに」「捻挫すればいいのに」みたいな小さな気持ちって誰しもあると思うんです。そんな場面は「わかるわかる」と共感してもらえたり、笑ったりできるのではないでしょうか。
人生、果たしてこれでよかったのか。妻たちが語る生々しい本音
2023年の単行本発売当初から、SNS上では「タイトルにパンチありすぎ」「もしも妻がこの本を読んでいたら背筋が凍る」などの投稿が相次いだ。
その後も「#読了」のハッシュタグを付けたポストが賑わい、
「書店で衝撃的なタイトルに惹かれて、レジ直行」
「夫に隠れて一気読み、でもうっかり見つかってしまった…」
「内容は把握していないけど、妻がリビングで堂々と読んでるから、何かの心理作戦なのかな…」
「買った本を机の上に置いていたら、娘が何かを察し『パパ―!!』と夫を呼びに行った」
など、タイトルのインパクトに関する言及が多かったが、それと同時に、夫への不満を持つ妻たちの生々しい「あるある」がネット上では渦巻いていた。
「ここに書かれている妻たちの本音に、世の夫はドキっとするのでは?」
「結婚していれば誰もが一度は思ったことがあることばかりで、とても他人事と思えなかった」
「妻として、働く女性として彼女たちが抱く思いに共感」
結婚、出産、キャリア──。30代半ばに差し掛かり、人生の選択に揺れる登場人物たち。彼女たちが抱える「自分の人生、果たしてこれでよかったのか」といった迷いや後悔、不安に共感する声も多く寄せられた。
夫婦とはこんなにも大変なものなのか
物語は「妻視点」で描かれているため、夫にとって「耳が痛い」話のようにも思える。しかし、読み進めるうちに「もしかすると、夫からも同じように思われているのでは?」という疑いが生まれ、妻と夫、どちらの立場であっても、相手の本心は分からないといった現実に気づかされる。
「冗談で伴侶の愚痴をこぼすことはあっても、ここまででは……」「うちには関係ない」と安心して笑い飛ばせるだろうか?
結婚ってもっと幸せなものだと漠然と想像していた。夫の死を望むまでの人間の心理がドキュメンタリーのようで読んでいてハラハラドキドキした。もし私が3人組の一人だったら、彼女にどういう言葉を掛けてあげられただろう。フィクションだけど、ノンフィクションだと感じさせる作者さんの力量がすごい。
(書店関係者/NetGalleyより)
最初は冗談のつもりだった、のだろう。けれど積み重なったその怒り痛みは、一線を越える力をはらむ。手に汗握る展開で一気読みでした。でもそれも心情を煽るようものではなく、どうか良き方へ、という願いを感じた。
(図書館関係者/NetGalleyより)
夫婦とはこんなにも大変なものなのか。結婚して20年以上経つが、夫婦であることに苦痛を感じたことはない。しかし、相手はそう思っていないのかもしれない。そう思わされるところがこの作品の恐ろしいところだ。
(メディア関係者/NetGalleyより)
結婚してから初めて知った孤独や、埋められない心のすき間──。その正体とはいったい何なのか。驚きの真相とラスト1行に衝撃が待ち受ける、予測不能なミステリーを、小説とドラマの両方で楽しんでみてはいかがだろうか。
最後に、本作の著者である丸山正樹氏の言葉をお届けしたい。
「結婚生活を含め、この世の全ては自分たちが動かしていると思っている夫(おとこ)たちよ、本書を読んで震えて眠れ」──あとがきより
2025年4月、連続ドラマ化!
「夫よ、死んでくれないか」(テレ東系)
4月7日(月)夜11時6分スタート
出演: 安達祐実 相武紗季 磯山さやか 竹財輝之助 高橋光臣 塚本高史