【あらすじ】
野球に青春を懸ける男子高校生の勇実真赤は、ある日、「後天的に性別が変化していく」奇病・ASMに罹患してしまう。日ごとに身体が変容していくだけでなく、心にも徐々に変化が生まれ、身体と精神の不一致に葛藤する真赤。それまでの人生で思いもしなかった経験をし、様々な試練を乗り越え、変わりゆく日常の果てに真赤が選択する道とは――? 全く新しい角度から男女の感覚の違いを切り取る、青春成長譚!

 

ある日突然、自らの身体が男から女へ、あるいは女から男へ変わっていくとしたら?

 

「男らしさ」「女らしさ」という言葉が好まれざるものとして捉えられるようになり、多くの人がジェンダーについて関心を持ち、日常的に語るようになった昨今。それでもなお、暮らしの中で男性と女性の感覚の差は大きいと感じることが多い。

『虹のような染色体』は、その男女の感覚の違いを「後天的に性別が変わっていく」架空の病をテーマにして描き出した全く新しい形の青春小説である。

 野球に青春を懸ける男子高校生である主人公・勇実真赤は、ある日ASM(後天性性染色体変異)という、約半年から1年をかけて生来のものとは異なる性別に身体が変化していく病気に罹患してしまう(もちろん、これは創作された架空の病であるが)。

 日に日に女性のものに変わっていく身体とともに、徐々に精神にも変化があらわれ、見える世界と感覚の違いに戸惑いつつも、なんとか青春を全うしようとする真赤だったが、彼(彼女)の前には如何ともしがたい障壁がいくつも立ちふさがる。

 それでも部活の仲間や、ほのかに思いを寄せる教師、病に寄り添ってくれる医師など、周囲の人々の助けを得て、やがて真赤が出す答えとは──?

 青春小説としてのエンタメ性も十分に備えながら、ジェンダーについて問いかける非常に意欲的な本作。読後にはきっと誰かと、少し見え方の変わった日常の景色について語り合いたくなることだろう。

 また、本作は新しい才能を幅広く発掘する『双葉文庫ルーキー大賞』という応募賞の第5回の受賞作であり、本賞からはその他にも意欲的なテーマを扱った作品が刊行されているので、ぜひそちらもチェックしてみて欲しい。

 

本作品は「双葉文庫ルーキー大賞」から誕生しました!
web投稿で即デビュー! 数々のヒット作を世に送り出している双葉文庫は、小説界の新しい才能“ルーキー”を募集しています!
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