何かと克次に突っかかってくる岡っ引きの正蔵が何者かに斬られた。時を経ずしてかつて克次の手下だった安五郎も似た風体の者に「恨みがある」と襲われた。克次の頭に、以前岡っ引きだった時分に探索に加わった、ある娘殺しの一件が思い浮かぶ。となると、仕えていた同心の中山家、ひいては慕っていた早苗にも危害が及びかねない。克次はまた探索に乗り出していく。一方で、お京との間柄もはっきりしなければならない時が来ていた。爽快かつ白熱のシリーズ最終巻!