SNSもマッチングアプリもなかったあの頃。痛くて辛いけれど、真剣に恋をしている人に寄り添った短編集『恋バナ 赤』が20年の時を経て文庫化する。

 

 携帯小説の生みの親、Yoshiによって2005年に刊行された単行本『恋バナ 赤』『恋バナ 青』から5つのショートストーリーと詩を収録。記憶に残っている人も多いはずの花のカバーも復刻!

 

 平成の終盤を彩った恋愛バイブルを、あらためて手に取ることができる。

 

 本作に収められた物語は、著者に届いた読者からの恋愛相談メールがもとになっている。

 

声を失ってもギターを弾き続ける青年の「理由」

夏の予言どおりに出会った「笑顔」

家族に見放された翼と未来の「告白」

自らを傷つけることで生を感じようとした少女の「傷」

ふと気づいたらいつも“隣にいるあいつ”を描いた「元カレ」

 

 自分の恋と重ねて涙したエピソードが、いま読み返すとまた違った深みをもって迫ること間違いなし。

 

「恋こそが愛への架け橋だと、僕は強く思っています。だからこそ、恋愛をしてほしいと願っているのです」(Yoshi 「あとがき」より)

 

 10代の頃に読んだあなたへ。そして、恋を知って大人になった今のあなたへ。──二度目の『恋バナ』は、きっと違う響きをもたらす。