まるです。猫と暮らすということ。

 

 ビール箱に滑り込む愉快な動画で大ブレイクした「まるです。」こと、オスのスコティッシュフォールドのまる。元祖・猫インフルエンサーとして、YouTubeなどで元気に大活躍中です。

 

まるです。猫と暮らすということ。
まるです。猫と暮らすということ。

 

 2007年5月24日生まれのまるは、今年18歳の誕生日を迎えるハイシニア猫。本書は、飼い主である著者が、愛猫の老いと向き合いながら感じた思いや気づきを文章と写真でつづった心温まる猫フォトエッセイです。

 

『まるです。猫と暮らすということ。』(C) 2025 mugumogu

 

 同居する猫のはな(2013年生まれ、メス、雑種)&みり(2020年生まれ、メス、雑種)も登場。懐かしい一枚から最新のまるの姿までを収録した「思い出アルバム」とともに、にぎやかな“まるファミリー”の様子が楽しめます。

 

『まるです。猫と暮らすということ。』(C) 2025 mugumogu

 

 以下、本文収録エッセイ「猫がいる証」から抜粋します。

 

 まるさんがやって来たのは生後4か月の頃。体重も2.4キロあって、体もすでにまあまあ大きかった。とはいえ、今のまるさんと比べると、確かにかなり小さいのだけれども。

 家についてカゴを開けたとたん、その旺盛な好奇心をフルに発揮させ、家中を探索する。初めての場所、初めての人に物怖じして隅に隠れるようなことは一切なく、初めての猫トイレで勝手知ったる風に用を足し、初めましての人から出されたカリカリを疑う素振りもなく食べ、また家の中を探索する。その大きな体も相まって、子猫特有の脆く儚げな印象はまるでなかった。弾丸──興奮して家中を走り回るチビまるを一言で形容するなら、それに尽きる。

 

『まるです。猫と暮らすということ。』(C) 2025 mugumogu

 

(中略)

 今の家の二階には、デザインに一目ぼれして買ったソファが置いてあるのだけれど、まるさんがせっせと爪とぎをして、端っこがボロボロにほつれている。そのボロボロのほつれを見ると、朝起こしに来て、そこで爪を研ぐまるさんの姿がセットで思い出されるので、きっと一生捨てられないだろうな、と思う。猫が残した傷は、猫がいた証。それが猫と暮らすということ。

 

『まるです。猫と暮らすということ。』(C) 2025 mugumogu

 

 笑って、しんみりして、勇気がもらえる、シニア猫オーナーさん必読の1冊です。