初小説『クロ恋。』で小説家デビューを果たした安田大サーカスのクロちゃん。「恋愛博士の異常な愛情」「揺れる」「地球最期の日」「Lv.17の勇者」と、4つの恋物語を収録した同作を、クロちゃんと大の仲良しである高橋みなみさんがレビュー。『クロ恋。』の魅力と、世間でも話題の“クロちゃんの失恋”を語ります!

 

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大きな声で言いたくないんですが(笑)、本当に友人としては最高です!

 

──『クロ恋。』に話を戻すと、一番キュンとしたのは「地球最期の日」とのこと。感想をお願いします。

 

高橋みなみ(以下=高橋):この作品が一番小説的ですよね。でもクロちゃんのエッセンスもあるんです。結構ロマンチストで星とかたぶん好きなんです。地球最期の日を知ってしまったけれども、その秘密を自分だけで抱えながら、想いを寄せる人と最期の時間をどう過ごすか……というテーマがクロちゃんっぽいなと思いました。感動物語でこれを書けるのであれば、「恋愛博士の異常な愛情」と「Lv.17の勇者」も「クロ感を消したらいいのに!」と思いましたけど(笑)。

 

──男女の友情が恋心に発展し……というストーリーですが、たかみなさんとクロちゃんもまさに気心の知れた間柄ですよね。

 

高橋:クロちゃんを男として見る瞬間って……ごめんなさい! 本当にゼロです! それはハッキリ書いてください(笑)! ただ年齢は15個離れていますけど、フラットな関係で、プライベートや仕事のことを全部話せる友達っていうと、クロちゃんが一番です。大きな声で言いたくないんですが(笑)、本当に友人としては最高です!

 

私の夫婦関係の話もシェアしています。夫とクロちゃんは同い年なので私の知らないところで、2人で遊んだりもしているんです。家に帰ったらクロちゃんがいて、夫とテレビ見てる……という意味不明な状況もあるんですよ(笑)。

 

──まさに、アキトとナオキとトモミ、男女3人の三角関係が描かれた「揺れる」ですね。

 

高橋:いやいや、一切揺れない、微動だにしないですけど!! クロちゃんも私のことを一切そう思ってないですから。でも、それがやっぱり特殊だなと思って。「揺れる」もそうですけど、男子2人、女子1人になると、少女漫画でも何かしらのドラマが起きるパターンが多いですよね。まあ私は既婚者ですが、夫と私とクロちゃんでいても、何も起きないっていう(笑)。そういう部分もクロちゃんのなせる技ですね。

 

──そもそも、たかみなさんとクロちゃんは、どのような経緯で仲良くなったのでしょうか。

 

高橋:そもそもクロちゃんはアイドル好きで、AKB48も応援してくれていたんです。当時の推しメンは(前田)敦子で、わりと私は敦子とペアなことが多かったということもあって。私達からしてもアイドル好きの芸人さんという認識でした。そこからしばらくして『水曜日のダウンタウン』でクロちゃんの企画を見たときに、気になってしまって。1回しゃべってみたいなと思ったので自分のファンクラブイベントのMCをお願いして、それをきっかけに仲良くなりました。そこから10年近くクロちゃんの歴史を見ているのですが、本当に女性はリチちゃんしか出てきていないんですよ。

 

──その他の女性関係というと、キャバクラなどでしょうか。

 

高橋:出会った当時はまだギリギリ“キャバクラ通い後期”みたいなときでおそらくお店には行っていたと思うんですが、途中でコロナ禍になって。そのタイミングでクロちゃんと2人で音声SNSアプリ「クラブハウス」で夜な夜な40日連続でトーク配信をしていたんです。キャバクラでは遊べなくなったけど、私とクロちゃんがより仲良くなれた時期なのかなと。

 

──キャバクラを卒業して、たかみなさんの方に……。

 

高橋:いや、違う! 「キャバクラみなみ」じゃないですから(笑)!

 

──ちなみに、クロちゃんの小説“第2弾”が出るなら、どんな作品を読んでみたいですか?

 

高橋:今回意外に思ったのは、こんなにアイドル好きなのにアイドルの恋愛は書かないんだなってことなんです。ファンでもあるしアイドルのプロデューサーでもあるから、内情をより知っていると思うんですよね。プロデュースしているからこそ、アイドルの恋愛を書くのがタブーなのかなとも思いますが……。いいタイミングで、アイドルの恋愛小説も書いて欲しいですね。ただ、そのときに主役の名前を「アキトくん」にするのはやめてほしい(笑)。自分の本名を、しかもイケメン役で出すのはやめてほしいですよね。

 

──アイドルの物語なら、たかみなさんも登場しちゃうかも!?

 

高橋:アツコと仲いいミナミみたいな。なんか揺れそうな感じですね(笑)。揺れられても困りますけど。

 

──最後に、まだ読んでいないという方に向けて、『クロ恋。』をオススメするメッセージをいただけたらと思います。

 

高橋:私は『クロ恋。』を新幹線で読んだんですが、ちょっと恥ずかしくなったんですよ。やっぱり、「クロちゃんの小説読んでいるんだ」って思われるのが嫌な人もいると思うんです(笑)。でも、大丈夫です。帯を外せます! 帯を外せば、おしゃれな本を読んでいる……ってなりますからね。

 

クロちゃんは意外にもいろんな才能を持っていて、こういう文才もあるんだっていう新たな一面が見えます。バラエティのクロちゃんを見ている人は、「あれ? これクロちゃん?」みたいなエッセンスも感じられますし。新感覚の恋愛小説だと思うので、「小説あんまり読まないんだよね」っていう人も、読みやすいんじゃないかなと思いました。

 

ただ、ひとつ注意してほしいことが……。私はクロちゃんが書いたと思って文字数が少ないだろうと甘くみていたんです。30分ぐらいで読めちゃうんじゃない? みたいな(笑)。エッセイみたいな感じかなと思っていたら、しっかりとした文量で! クロちゃんの本だから一瞬で読めるだろうと思っていると痛い目を見るので、ちゃんとした小説だと思って、ぜひ読んでみてください!