芥川賞・大江賞作家の長嶋有の小説を6人の女性漫画家がコミカライズした贅沢な一冊が誕生。今回は米代恭さんの『三十歳』の前編を特別に試し読み! 長嶋有さんの小説の世界を旬な漫画家さんの世界観で新たにお楽しみください。

 

説明不要の超豪華なメンバーが、それぞれ好きな小説を選んでコミカライズ

 

「芥川賞・大江賞作家 長嶋有」をご存じでしょうか?

 映画『花束みたいな恋をした』の冒頭で、赤の他人の菅田将暉と有村架純がファミレスでお互い長嶋有の小説を読んでいたことから意気投合、付き合うきっかけになった小説家です。

 そんな長嶋有の小説を、6人の旬な女性漫画家が一堂に会しコミカライズした単行本『いろんな私が本当の私』が発売されました。

 

「往生際の意味を知れ!」の米代恭が「三十歳」を

「ご成長ありがとうございます」の三本阪奈が「舟」を

「トクサツガガガ」の丹羽庭が「今も未来も変わらない」を

「凪のお暇」のコナリミサトが「もう生まれたくない」を

「メタモルフォーゼの縁側」の鶴谷香央理が「問いのない答え」を

「あした死ぬには、」の雁須磨子が「三の隣は五号室」を描きます。

 

 説明不要の超豪華なメンバーが、それぞれ好きな小説を選んでコミカライズしています。楽しそうに描いているのが伝わってくるので、読者もハッピーな気分になっちゃいます。

 今回は特別に、米代恭さんの「三十歳」の前編をご紹介致します。

 

 

 この本で描かれる主人公はみな女性で、高校2年生から40代までと幅広いです。悲しみを抱えながらもみな逞しく、しなやかに生活している女性たちです。

 毎日を頑張っているみなさん、この本は貴方たちの物語です。

 

【あらすじ】
米代恭「三十歳」
もうすぐ三十歳になる秋子は不倫がバレてピアノ教師を辞め、パチンコ屋で働いている。

三本阪奈「舟」
高校2年生の冬、1年後に控えた大学受験を意識しながら、奈津美は歯の矯正を始めている。

丹羽庭「今も未来も変わらない」
夫と別れた四十代の星子は、大学生の娘を育てながら、二十代の彼氏と付き合っている。

コナリミサト「もう生まれたくない」
空母のように巨大な大学で働いていた春菜は、夫を事故で亡くし酒浸りの日々を送っている。

鶴谷香央理「問いのない答え」
石巻で被災した女子高生・一二三と、駆け出しの小説家・サキの人生が交差する。

雁須磨子「三の隣は五号室」
五号室の9番目の住人、久美子は前の住人たちの残したものを感じながら生活を始める。