小説
水底に眠る季節
あらすじ

雑誌社でアルバイトをする瑞希はある日ニュースで、小学校の頃住んでいた月沢村を目にする。その村は十三年前にダム建設によって水底に沈んだが、渇水によりダムの水が干上がり、廃村として姿を現したという。自然豊かで夜空の美しい村だったが、瑞希の記憶には痛ましい事件が残っていた。親友だったクラスメイトのひよりが、ある夏突然行方不明になったのだ。そしてもう一人のクラスメイトの少女が村で不審な溺死をしている。二つの事件は、どちらも未解決のままだった。雑誌社の上司から廃村で起きた事件を取材をするよう命じられ、ダムを訪れた瑞希だが、大雨に遭い山道で足を滑らせて意識を失う。目が覚めると、あの夏行方不明になったはずひよりが、小学生の姿のまま目の前に現れて……。

彩坂美月(あやさか・みつき)
山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補に。著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『金木犀と彼女の時間』『みどり町の怪人』『思い出リバイバル』『double〜彼岸荘の殺人〜』『そして少女は、孤島に消える』などがある。