著者が作家専業となる以前、1990年から埼玉の屠畜場に勤めていた日々を綴る。「おめえみたいなヤツの来るところじゃねえ!」と怒鳴られた入社初日から10年半、ひたすらナイフを研いで牛の皮を剝き続けるなかで抱いた、働くことの実感と悦び。仕事と人生の関わりを普遍的に描き得た一冊。