「とうとい」
「最推し」
「ガチ恋」
「同担拒否」
多様に広がり続けるオタク界隈において、日々発明されているのが、「ときめき」や「好き」をあらわす言葉。オタク女性たちはこうしたワードを駆使して、対象への想いをSNSやブログで、あるいは仲間同士の飲み会で、愛を語り続けています。アニメ漫画好き、BL好き、2.5次元オタク、ジャニオタ、ヅカオタ……ジャンルごとに細かな違いはあれど、みんな、まるで信仰のようにストイックに、己の想いを磨き上げているのです。
こんなにも愛にあふれた世界を作りあげ、属し、交感しあっているというのに、なぜか、世間では「オタクはモテない」「オタクは恋愛に興味ない」というイメージが定着しています。
たしかに「推しに夢中でリアルなパートナーがいない」という人は少なくありませんし、「恋人いない歴=年齢なのを気に病んでいる」という人の話も聞きます。けれど一方で「夫も推しも等しく愛している!」とアッパーに宣言している人もいれば、「今はアイドルを推すのに忙しいけど、暇になったら恋愛をする」「人間に恋愛感情を抱いたことはないけれど、創作上のキャラクターたちのことは本当に大切に思っている」という立場の人もいます。その人が「オタク」であることがその人の恋愛スタイルを導くものではないのだということは、ほとんど世間に知られていないように感じます。
「ステージの上のアイドルや俳優に焦がれてたって、その人がそれを〝恋〟だと思ってれば恋バナでいいじゃん」
「異性への思いだけが恋愛ではないように、次元の違う誰かを思う気持ちだって、尊重されてもいいのに」
「でも別にそれを〝恋愛〟という枠におさめなくてもいいんだよな?」
「そもそも〝恋愛〟ってなんなんだ?」
もともと、「インターネットで言えない話」をテーマに活動していた私たち・劇団雌猫。平成元年生まれという共通項はありながらも、恋愛観、推し観や結婚・未婚のステータスなど様々な要素が異なる4人にとって、〝恋愛〟やその周辺を取り巻くあれこれは、オタク女子たちにこっそり聞いてみたい、うってつけのテーマでした。そこで同人誌「悪友 vol.2恋愛」が生まれ、多くの支持をいただいて、今回の書籍『誰になんと言われようと、これが私の恋愛です』へとつながったのでした。
同人誌版の表紙には、こんな文言を記載していました。
あなたの頭の中の辞書には、どんな説明が書いてありますか? この本を機に、ぜひ問いかけてみていただければ幸いです。
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第1章 オタクも恋しちゃダメですか?
- 初彼が「犬夜叉」だった女
- アラサーになっても若手俳優に出会いたい女
- 高齢処女に思い悩んだ女
- マッチングアプリの深淵を覗いた女
- 「一般女性」になった女
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第2章 これは「恋」じゃないですか?
- 「ときメモ」で離婚を決意した女
- 性欲を「シン・ゴジラ」で断ち切っていた女
- 合法的に婚外恋愛を楽しむ女
- 女オタ同士の恋愛を見守る女
- 夫のちんぽが目覚めない女
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第3章 結婚ってなんですか?
- ドルオタ同士で結婚した女
- 「A太郎」と別居婚する女
- オタ友と同居している女
- 40歳を過ぎて独身の女
- 結婚するつもりじゃなかった女
- ◆888人が回答!/アンケート悪友たちのときめき事情
- ◆座談会これからの「恋愛」の話をしよう
ほか、劇団雌猫に寄せられた悩み
「彼氏いない歴=年齢まわりと比べてしまう」
「パートナーにオタクカミングアウトするには」
「結婚願望がまるでない!」 にメンバーが回答したページも収録!
(劇団雌猫)
定価:本体1,200円 + 税
判型:四六判
ISBN 978-4-575-31502-8