*人に疲れ「ちょっと遠くに行ってきます」 現地に着いたらまず「インドなう」

 

 

 

 はじめまして。私、密教系僧侶、某寺院住職、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、詠み人をしております、「歩く駆け込み寺」こと、泰源たいげんと申します。私の素性や嗜好、性癖についてはおいおい明らかになっていくと思いますので、末永くお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 この春、さる野球ファンたちの電網上の集い場で皆様の相談ごとにお答えした後、自らをアップデートすべく、西の方に行き、半年ほど瞑想しておりました。冒頭は、当時詠んだ歌です。

 

 

 

 さて今回、瞑想を終えて先日無事に帰国し、このようなかたちで衆生の皆さまのお悩みにお答えする、「ゆるーい人生相談」の機会をいただくことになりました。私の場合、宗教者とFP(ファイナンシャル・プランナー)としての属性がベースにありますので、人生のこと、お金のことを中心にお答えすることになると思いますが、私もまだまだ修行中の身、ともに悩みながら、笑いながら、浮き沈みしながら、一緒に着地点を探していければと思います。

 

 

 

生きてるだけで丸もうけ(さんま師匠)

 

 

 

「丸もうけ人生相談」。この連載は本気とも冗談ともつかぬタイトルとなっています。そういえば、明石家さんまさんが娘さんの名前を「いまる」と付けた由来が「生きてるだけで丸もうけ」なんですよね。余計な文脈を取っ払ってるんで極端に聞こえるかもしれませんが、そのくらいの楽天的な姿勢で人生に向き合えば、結果明るく元気に暮らせるのではないか、という意味だと思います。なんとなく頷けますね。なので今回の人生相談も、読まれた方が「あ、そうだな、今の悩みは気にすることないな」と、ほんの少しだけでも元気になるような内容を志向してまいります。

 

「あれ、仏教的には『人生は苦』じゃなかったんかい?」、とおっしゃる方も居るかもしれませんが、ご心配なく。確かにお釈迦様は「人生は苦である」とおっしゃった(らしい)のですが、それを悟ったうえで、無理なく、自然に、ストレスなく好きなことをして生きる、そんな道を仏教は推奨しています。それぞれの質問にお答えする中で、人生の指針となるような仏教語をご提示していこうと思います。

 

 

 

 

 

1.老後のお金が足りなくなったらどうなるのか心配で、夜も眠れません。かといって、無駄遣いをしないように食べるものを節約したら栄養失調で死にそうで怖いです。私はどうしたらよいのでしょうか?(50代・男性)

 

 

 

 はい、最初から恐ろしくシリアスな質問ですね。特にテレビ、新聞、雑誌等各メディアで毎日のように「あなたの老後が危ない」「年金制度は崩壊する」など、センセーショナルなフレーズが飛び交っています。質問者さんもおそらく、知らず知らずのうちにこのような見出しを目にして、心配になっておられるのではないかと。

 

 まずはFP的視座から、一般的な生活者の老後資金は枯渇するのか、つまり「あなたは老後、生活できなくなるほどお金が無くなるのか?」という話をしていきます。

 

 

 

あなたの貯金は何歳で底をつくのか。あなたの老後は大丈夫か

 

 

 

 生命保険に加入する時などに「ライフキャッシュフロー」と呼ばれる数表やグラフをご覧になったことがあるかと思います。縦軸に金融資産の残高、横軸に年齢を取り、何歳くらいで金融資産が底をつくかのイメージを把握する図表なのですが、金融庁のサイトに簡易版がアップされています。1分程度で試算できます。

 

 

 

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/lifeplan_sim/index.html

 

 

 

 現在から老後までの金融資産の推移を俯瞰するうえで一応の目安にはなります。が、厳密に想定しようと思っても、何歳まで生きるか、パートナーより先に逝くか後に逝くか、という大事な変数が規定できないので、

 

 

 

「大丈夫かどうかはわからない」

 

 

 

 これが答えです。もうひとつ大事な変数がありますね。

 

 

 

公的年金はどのくらいもらえるか、マジ不透明

 

 

 

 あなたは生きている限り、国から年金をもらえます。いわゆる公的な終身年金です。

 

 ご存知と思いますが、この国の財政赤字は1,000兆円を超えており、厚生労働省の検証においても、所得代替率(現役時代の所得のどの程度を年金として支給するか)は現在の6割強から2043年にはおおよそ5割になると想定されています。支給開始年齢も70歳超を選択できるようになることが検討され、一方で定年延長や継続雇用に取り組む企業への支援拡充も制度化されています。加えて、すでに国、厚生労働省から「公的年金を過度にあてにするな」というメッセージが出されています。そう、自分で金融商品を選択して運用して老後に向けての資産形成を行う、いわゆる「確定拠出年金」です。特に個人型確定拠出年金にはiDeCoイデコという変な愛称までつけて、税制の優遇措置を講じ、利用を呼び掛けています。自分の将来への備えは自分の手で、自己責任で行う時代に、今後ますますなっていく、ということですね。

 

 

 

 さて、では、具体的にどうやって守りを固め、老後に備えるのか。秘策があります。

 

 

 

老後を迎えるのを少しでも遅らせるべく、老前ろうぜんをできるだけ長くキープする

 

 

 

 老後が心配なら、できるだけ老後を遠ざければよいのです。ある程度の年齢になってもそれなりに働いて収入を得ている状況を「老前」としましょう。この老前の期間をできるだけ長く取れば、相対的に老後の期間は短くなる。これを狙っていきましょう。

 

 

 

 まず、働く。平均寿命のみならず、健康寿命(介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間)も年々延び、現在は男女とも70代前半。平均寿命との差も縮小傾向にあります。つまり元気な高齢者が年々増え続けているのです。国も、「(年金に依存されないよう)企業はできるだけ長く従業員を雇い続けてね」という方向性を打ち出していますので、できる限りそれに乗っかってください。無理しない程度に働くことは、経済的にも、脳に刺激を与える意味でも有益です。

 

 

 

 次に、病気にならないための健康維持が肝心ですね。平日の昼間、スポーツジムに行くと、60代、70代くらいの方たちがにこやかに汗を流している光景に出くわします。エアロビクスなんか、端からインストラクターに合わせる気などなく無我の境地に入って「ええじゃないか」みたいな独自の踊りを披露されている方も。皆さん、健康の大切さをわかってますね。

 

 40代、50代の方はお仕事で忙しいかもしれませんが、駅から早歩きするとか、エスカレーターを使わないとか、ちょっと遠くのコンビニを使うとか、いろいろ工夫はできると思います。

 

 

 

やりたいことやろう。やればできる

 

 

 

 当然、恋愛もOKです。今年の6月に野田秀樹さんが62歳で38歳の奥様との間に第3子をもうけました。いやはや素晴らしいバイタリティーですよね。彼はどんな演出を「野田秀樹」という作品に施すのでしょうか。が、恋愛が元気の源である、と自認されている皆さま、ファイト! 心配なら、男性は週刊ポスト、女性はan-anのそっち系の特集号をメルカリで落札して復習してもよいでしょう。

 

 なお「配偶者あり」の方には、仏教には次の戒律があることも申し添えておきます。

 

 

 

#不邪淫ふじゃいん(よこしまな関係をもってはならない)

 

 

 

 その他、ゴルフでも音楽鑑賞でも美味探訪でも古寺散策でも、人生一度。週刊大衆でもLEONでもUOMOでもSafariでも東京カレンダーでもなんでも買い込んで、情報を集め、武装して、ぐいぐい攻めていきましょう。女性ならSTORYとかMarisolとか。知らんけど。「やりたいことはあるんだけど仲間が……」という方はSNSを覗きましょう。特に首都圏では中高年OKの、

 

「絵本を用いて哲学的テーマで対話する会」とか

 

「歌が上手い人にグッとくる会」とか

 

「デパ地下フードオフ会」などの

 

「何をやるんだか今ひとつわからんけど、とりあえず多様な人間が集まってきそうなイベント」や、

 

「ぽっちゃり女性とぽっちゃり女性好きの男性のためのパーティ」

 

「シングルパパ・ママのオフ会」

 

「浜田省吾だけを歌おう会」などの

 

「明らかに来る人間が想像できるイベント」

 

 が連日開催されています。波長が合わなかったら次から参加しなければいいだけの話。チャレンジは若者だけが使えるチケットではありません。どんどん出ていきましょう。

 

 

 

 はい? そんな気ままに、欲望のままに生きていっていいのか? 仏教的にそれ、OKなのか? 正しく生きるため、悟りを開くためには修行しなくちゃいけないんじゃないのか?

 

 

 

 ここで仏教的思考の登場です。

 

 

 

#如行雲流水(息耕録開筵普説そっこうろくかいえんふせつ

 

 

 

 にょこううんりゅうすい。仏教では、

 

・雲は行き、水は流れる

 

・それらに代表されるように、すべてのものはとどまることなく動き続けている

 

・それを「動かないで、自分のそばにいてほしい」と無理に願うことが、執着である

 

・その執着を断ち切り、「苦」を回避するためには、自ら周りのモノやヒトを遠ざけたり、断ち切ったりすることが望ましい

 

・それこそがまさに「執着を捨てる」ことである

 

 と教えます。

 

 

 

 禅宗の行者のことを「雲水うんすい」と言いますが、その語源はこれです。

 

「○○しなくてはならない」という縛りを、できるだけほどいて、心身を解き放ってみる。もちろん法律やモラルの許す範囲で。

 

「老後のためにお金をためなくちゃならない」「支出を切り詰めなくちゃいけない」そんなことばかり考えていては人生楽しめませんよね。仮にお金をためて無駄遣いをやめて、老後を迎えるとして、そこであなたの周りには、お金以外に、何か残ってますかね。そこからの人生、何か楽しいことが待っている保証はあるのでしょうか。

 

 

 

明日を案ずるより、今日を楽しく

 

 

 

 そして、もう目いっぱい働いた、遊んだ、恋愛した、人生楽しんだ、となったら、やっと老後を迎えることにするのです。

 

「本当に必要なもの」を意識し、「それ以外のもの」を捨ててみる、距離を置いてみる。そんな取り組みはその時点から始めてみてはいかがでしょうか。それにより、余計な出費はカットでき、本当に自分が好きなものが近くに残り、それに取り組む時間が増えます。

 

 たとえば、白髪染めやリアップX5をやめてみる、毎回知人のうわさ話に終始している飲み会を抜ける、二年間着なかった洋服を捨てる、顔も思い出せない人への年賀状は出さない。

 

 

 

「(時間的にも質的にも)もう十分楽しんだわい」という満足感を持って老後に入る、そんな人生を目指してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

*「人生は苦なり」と説いた住職はスクータに乗り軽快に去る

 

 

 

 では、次のご相談です。

 

 

 

2.美人は得ですか? どのくらい得ですか? 美人じゃないと損ですか?(40代・女性)

 

 

 

 この質問をされたことのある坊さんも、この質問をされたことのあるFPも、まあ、居ないだろうと思います。ですが、面白いんで考えてみましょうか。

 

 

 

 そもそも「どのくらい」って、相談者さんが気にしているのは経済効果ですよね。一説によると、美人さんは、容姿が劣っている女性に比べて、生涯収入で3600万円ほど得をするのだとか。根拠はダニエル・S・ハマーメッシュという経済学者の『美貌格差: 生まれつき不平等の経済学』という著書らしいです。平均点(3点)の女性を基準にした場合、4点~5点の女性は平均女性よりも8%収入が多く、逆に1~2点の女性は4%少ない、つまり12%の格差が生じる、という調査結果が出たとか。で、生涯賃金を3億円としてその12%を計算すると3600万円になる、というのが根拠とのことです。深夜のテレビ番組とかで面白半分に取り上げられている数字もこの値が多いです。FPとしてこの学者さんの言説を全面的に肯定するものではありませんが、反証するだけの事例も持ち合わせておりませんので、一応これを前提に話を進めてみましょう。

 

 

 

 では、美人さんはなぜ高収入を得られることが多いのか。想像してみましょう。

 

 

 

美人さんのメリットは?

 

 

 

・見た目で判断される高収入の職種に就きやすい

 

・知人を紹介してもらえるのでビジネスチャンスが広がりやすい

 

・印象がよいのでビジネスの成約率が高い

 

・得た収入を自分磨きに使えるのでさらに印象をよくできる

 

 

 

 なるほど。確かに容姿はアドバンテージにはなりそうですね。

 

 

 

美人でなきゃあかんのか?

 

 

 

 それでは、美しさは、経済面においてあらゆるほかの条件より優越する「成功の条件」なのか。

 

 今年6月に行われた某国民的アイドルグループの「世界選抜総選挙」というイベントにおける、私が特に肩入れしている名古屋拠点のグループを例にとって、美しさと営業成績の相関を考えてみます。

 

 この「総選挙」は、投票権を持っている人がひとり何票でも投票できます。投票権を得る方法は対象のCDを購入する、各グループのモバイルサイトに加入するなど複数ありますが、権利の単価はおおよそ300円~1600円です。ですので、多くの票を集めたメンバーはそれだけ多くの売り上げをレコード会社や事務所にもたらした、いわば優秀な営業マンということができます。これを踏まえて。

 

 

 

 1位の松井さん。19万票を獲得しました。小学5年生で受けたオーディションの時からスター性を秋元Pに見いだされ、早くから本店(東京軍)の選抜(シングル曲の正規歌唱メンバー)にも選ばれエリート街道を歩いてきた人です。昨年あたりから突如プロレスに目覚めた影響か大舞台でのマイクアピール(煽り)が過剰気味になりましたが、基本的には立ち姿や表情にオーラがあり、パフォーマンスは一級品、握手対応も素晴らしいと言われています。トップに立つべき人材と言えるでしょう。しかしながら、300人を超えるあのグループのメンバーで最も容姿が優れているかと言うと、正直そこまででもないかなと思います(あくまで個人の見解です。以下同様)。

 

 

 

 2位の須田さん。15万票。2009年に加入した名古屋の3期生ですが、最近になって彼女の顔と名前が一致した、という方もいるでしょう。彼女は今まで総選挙で上位に入ったメンバーたちと異なり、いわゆる「運営から期待されていないメンバー」でした。しかしながら彼女は自分の強みである「体力」と「記憶力」と「愛想」を最大限に活かしました。握手会で自分の列に並んでくれたファンのあだ名、特徴、家族構成などを克明にノート(『だすノート』と呼ばれます)に記録し、片っ端からファンを覚え、2回目の握手会からは元気にかつ親密に語りかけることにより、支持者を加速度的に増やしていきました。またバレエで鍛えた体の柔軟さは芸能人の域を超えており、リンボーダンスで25センチのバーをくぐるというとんでもない特技を持っています。それでいて生の情報番組でも置物にならない頭の良さも持ち合わせており、番組終了後にはプロデューサーその他関係者に自らのコメントの出来を必ず確認し、反省点を次回に活かすことを忘れない、ある意味化け物です。少し前までは自分のことしか考えないタイプだったのですが、チームのリーダーに就任してからは後輩の目配りもきちんとできるようになっています。ただ、「ブスから神7」と自称している通り、愛嬌はありますが、彼女も決して飛び抜けた美人ではありません。

 

 

 

 もうひとり、17位の松村さん(3.8万票)にも触れておかねばなりません。グループ全体の中で最年長の28歳、正直もう上がり目はないと私は思っているのですが、まあ選挙に強い。薄毛に悩んでいることや、元キャバ嬢であったことなど異色の個性を売りにし(いや別に売りにしてはいませんが)、丁寧な接客、もとい握手対応で自分のファンを長年にわたりしっかり抱え込んでいます。彼女のファンのグループ「かおたんず」は彼女が個人で請け負う地方仕事の際は必ず追っかけて行くのですが、地元のお客さんに前の方の席を譲るなど、マナーの良さで知られています。

 

 彼女も須田さんと同じ名古屋の3期生ですが、こちらも「推され」とは程遠い立場からのスタート。彼女はビデオカメラを持ち歩いて(自分でなく)ほかのメンバーの素顔を動画で録りまくり、ネットにアップして好感度を上げていきました。またグループの震災復興支援活動で訪れた岩手県山田町を個人的に支援しつづけ、もともと縁もゆかりもなかった同町の「ふるさと大使」に就任するなど、独自すぎる境地を切り開いて現在の地位を築きました。彼女が常々後輩に説いていること。「おじさんのファンはお金を持っているから、大事にしなさい」。握手券付きCDの売り上げに支えられているこのグループの本質を思い切り突いている発言ですね。それはともかく、そして、かえすがえすも個人的な見解ですが、彼女もお世辞にも(以下自主規制)。ちなみに彼女、「貯金は?」の質問に「後輩にたかられるから(言いたくない)」とためらいつつも、指を四本出したと言われています。

 

 先日卒業を発表しましたが、卒業日は未定とのことで、このまま当分居座るんではないかとファンは疑念に駆られています。なお、これまでも過激な発言でたびたびネットを炎上させたこともある彼女、アジアのあるメディアでは今回の卒業発表、

 

 

 

自爆禿頭又當過陪酒女! 松村香織閃電退團

 

 

 

という見出しで報じられました。「自爆禿頭」「當過陪酒女」。キャラもここまで確立すれば立派ですね。お見事。

 

 

 

 ちなみに名古屋軍で一名、ある大学のミスキャンパス優勝者の肩書をひっさげて一昨年に加入したメンバーがいるのですが、学業との両立に苦しみ劇場公演にもほとんど出られない状況が続いており、今年の総選挙では圏外でした。この人は美人さんです。性格も穏やかでブログもモバイルメールも面白い。それでもランクインできなかった。そして先日名古屋軍からの卒業を発表し、約2年間の活動にピリオドを打つことになりました。ランクインしていたら卒業していなかったわけではないと思いますが、ある意味象徴的な存在です。

 

 

 

 妙に熱く語ってしまいましたが、要するに、アイドルと呼ばれる世界においても、美人であるか否かは、たいした評価基準にはなっていない、ということが言いたいのです。

 

 

 

 質問者さんがどのような職種についておられるか不明ですが、とりあえずは「美人になること」よりもおそらく金もかからないであろう、「印象のいい人」になることを目指してみてはいかがでしょうか。

 

 ではどうすれば、印象派(私は「印象のいい人」をこう呼んでいます)になれるでしょうか。印象のいい人の特徴、とは具体的には、

 

 

 

・表情が明るい

 

・元気である

 

・話がわかりやすい

 

・こちらの話を正確に理解してくれる

 

・自分の言いたいことを押し付けない

 

 

 

 こんなところでしょうか。どれもこれも、ちょっと頑張れば実現できそうですよね。ですが、世の中、印象のいい人ばかりではないですよね。どうしてなんでしょうかね。

 

 

 

 はい、ここから、仏教トーク。

 

 

 

#和顔愛語(大無量寿経だいむりょうじゅきょう

 

 

 

 わげんあいご:おだやかな笑顔と思いやりのある話し方。無財の七施(お金がなくてもできる他者への7つの施し)の中にも数えられている、和顔悦色施わがんえつじきせ=笑顔、と、言辞施ごんじせ=優しい語り口。これらは本来「自分を仏に近づける方法」なのですが、今回は「いい印象を周囲に持ってもらうための戦術」と解釈しましょう。とにかく笑顔。あ、葬儀屋さんとかお医者さんとか刑事さんとかは別ですよ。念のため。

 

 

 

 笑顔? 何を当たり前のこと言ってるんだこの坊さん、とお思いでしょう。ですが、思い出してください。あなたの周りの「印象のいい人」を。たいてい、朗らかですよね? 笑顔が素敵ですよね?

 

 美人で暗い人と、特段きれいではないけど明るい人と、どちらと仕事したくなりますか? 美人だから、というだけで、ブスッとした表情で暮らしている人を、応援したくなりますか? そんな人と、友達になりたいですか? 仕事したいですか?

 

 

 

 上で紹介した「美貌格差」では、こんな分析もされています。

 

 

 

美しさそのものではなく、美しさによる自信の表れが収入に結び付くのでないだろうか。

 

 

 

 まとめます。

 

 

 

心の持ちようで、坊主丸もうけ、じゃない、人生丸もうけ

 

 

 

 ということで、一般的に美人は得することが多いかもしれませんが、そんなことより、無財の七施。つねに周囲に気を配りつつ、笑顔と優しい言葉を忘れずに。そんな人には、お金と、お金よりもっと大事なものと、両方得られると思いますよ。

 

 

 

 おまけにもうひとつだけ。

 

 

 

上り詰めたらあとはひたすら下り坂

 

 

 

 中学校や高校の同窓会に出たことのある方。学生時代のプリンス(特定の米国人歌手のことではなく、憧れの存在と言う意味です)やマドンナ(同)が、往時の輝きを維持しているケースにお目にかかったことがあるでしょうか。あまりの変わりように落胆したことのほうが多いのではないでしょうか。ある意味、彼や彼女は17世紀のスペイン、あるいはエマニエル坊や、マコーレ・カルキン、皆川おさむ、加護亜依らのごとく栄華の時代を早めに迎えてしまったわけで、並大抵の努力ではその地位を守り続けることはできない。容姿で評価される人はある意味、キツイですよね。そっち側のチームに無理して入るよりは、「印象派」に身を置き、総合力で高評価を目指す。それも「1位じゃなきゃダメなんです」とか贅沢を言わない。念願の総選挙1位を獲得した松井さんも、高揚感からか直後のインタビューで若干言葉が走り、いろいろ叩かれ、選挙後約3か月間にわたり体調不良による休養を余儀なくされました。無理せずに、身の丈に合った努力をして、母集団の上位2~3割のゾーンをキープするくらいの心構えで暮らしていれば、あとになっていいことがある、かもしれません。

 

 

 

 

 

*総選挙期間は特に頑張って握手をします議員じゃないけど

 

 

 

 そろそろ瞑想の時間です。では今回はここまで。15日後に、またお会いしましょう。

(第2回へつづく)